2020年2月9日日曜日

砂山小ものがたり No.316 2/9「2月の全校集会」閉校まで50日

 2月7日の全校集会にて、おおむね次のような話をしました。

 砂山小学校閉校まで、あと50日くらいとなりました。
 ところで、人生で大切なものは何でしょうか。
 命、家族、お金と答える人が多いそうです。
 それでは、砂山小学校にとって、大切なものは何でしょうか。
 いろいろな考えがあると思いますが、みなさん一人一人の子どもたちと、学校の雰囲気だと考えています。学校の雰囲気は、人間で言えば、心や気持ちみたいなものですね。
 では、人として大切な気持ちはどんな気持ちでしょうか。
 こんなお話があります。

 漢字の苦手な子がいました。そのクラスでは、毎週のように漢字テストがあって、隣同士交換して丸付けをします。そして、自分の点数を全員がみんなの前で伝えます。その子は、いつも20点か30点で、一番よくても50点だったのですが、その子のよいところが分かっているクラスの子どもたちは、もちろん自分より下だと思ったり変なふうに見たりはしていませんでした。
 あるとき、その子が漢字テストの点数を伝えるときに、「70点」と言いました。クラスのみんなが、「お~」と声を上げました。次は、50点、「がんばって」という声が聞こえました。次は、60点でした。その次は、80点、「お~、すごい」と大きな声が上がりました。
 担任の先生は、点数がよくなった秘密を知っていました。それは、その子が、おうちでがんばったのはもちろんなのですが、それに加えて、友達が「一緒にやろう」と言ってくれて、一緒に勉強したからでした。
 次のテストは90点、そして、次の漢字テストの時、その子はみんなの前で「100点」と言いました。「やったー」というみんなの歓声とともに拍手が沸き起こりました。先生が「がんばったね」と言ったら、その子は「だって、みんなが褒めてくれたから」と言いました。
 自分のがんばり、友達の「一緒にやろう」、クラスの「お~、すごい」という言葉で、その子は変わり、成長しました。そして、その子のことを自分のことのようにみんなで喜ぶことができ、クラスの心も成長しました。
 できないことをそのままにしておくことは、簡単です。何もしなければいいのですから。できることをさらにレベルアップすることは、そう簡単ではありません。できないことをできるようにするのも、簡単なことではありません。

 最近のみなさんの様子を見ていると、廊下を走ってしまう人がいます。どんな言葉がけをしますか? 「一緒に歩こう」という思いやりのある声かけや、「〇〇さんは、いつも落ちついて歩いているね」という言葉がけはどうでしょう。
 もうすぐ、縄跳び大会があります。縦割り班やクラスで、がんばっていますね。どんな言葉がけをしますか? 「一緒に練習しよう」という思いやりの声かけ、「すごい、跳べたね」というみんなからの言葉がけ。
 そして、3週間後には6年生を送る会があります。5年生が中心となってがんばっています。それぞれの学年でも準備を進めていますね。お互いにどんな声かけをしますか? 「一緒に準備しよう」「一緒に大きな声を出そう」という思いやりの言葉。「〇〇さんと〇〇さん、発表が上手になったね」という声かけもいいですね。

 人として大切な気持ちを大事にしながら、一人一人の喜びや成長をみんなで喜び合えるようにしましょう。そして、閉校までの50日、砂山小学校とって大切なみなさんと学校の雰囲気が、よりよきものになるように、みんなで一緒に歩んでいきましょう。

 以上で、お話を終わります。