2018年7月24日火曜日

なりたい自分になる その5(継続は力なり)

7月24日の1学期の終業式では、おおむね次のような話をしました。

1学期は今日で終わりで、明日からは夏休みです。みなさんは1学期になりたい自分になれましたか。4月のときと比べて、自分では気がつかなくても、いろいろなことができるようになっているはずです。体力テストで記録を伸ばせたこと、水泳が上手になったこと、全校テストで合格できたこと、自分の考えを書いたり発表したりできたこと、一つ一つがみんなの成長の宝物であり、なりたい自分につながっているのだと思います。

さて、夏休みには、どんななりたい自分になりますか。少し考えてみましょう。小学2年生のお話です。その男の子は自転車に乗れませんでしたし、その子が乗れるような自転車が家にはありませんでした。2年生の夏休みに入る前のことです。その子の家に新しい自転車が来ました。そう、お家の人が買ってくれたのです。その男の子は思いました。「夏休みには、自転車に乗れるようになりたいな」と。その子のなりたい自分は「自転車に乗れるようになること」でしたが、その子はなかなか乗れるようになりませんでした。なぜかというと、転んだりうまく乗れなかったりするのを見られるのが恥ずかしくて練習をしなかったからでした。そうこうしているうちに、夏休みも半分が過ぎてしまいました。
「このままではいけない。がんばろう。」と思ったその子は、一人で練習を始めました。けれども、ペダルをこいでもすぐ足をついてしまったり、バランスをくずして転んでしまったりの繰り返しでした。また、家の人から自転車の後ろを押さえてもらったり、押して勢いをつけてもらったりもしました。それでもなかなか乗れるようにはなりませんでした。少しは進むのですが、自分で乗れたというところまではいきません。「明日は乗れるようになるかなあ。」と男の子はそう思いながら練習を続けていました。
練習を始めて1週間くらいたち、もう100回以上は自転車をこぎ出す練習をしていたでしょう。その瞬間は突然訪れました。そうです。その男の子はついに一人で乗れるようになったのです。練習は階段を上がるように、一歩一歩積み重ねていきますが、自転車に乗れるようになるのは、だんだんと上手になるわけではありません。同じことを繰り返し繰り返しやっていると(だいたい100回くらいチャレンジすることが大事なようです)、あるとき、突然できるようになります。水泳でも、何回も何回も挑戦して、あるとき、25メートルが泳げるようになります。自転車も水泳も一度できるようになると、それからはずっと「できるようになった自分」が続きます。


さて、みなさんは、夏休みに、どんななりたい自分に挑戦しますか。夏休みのいいところは、長い休みなので、自分がやりたいことが思いっきりできるというところです。こつこつと繰り返し取り組んでいると、あるとき、今までの自分とは違った自分になれるようです。


自転車の乗れなかった自分が自転車に乗れるように、25メートルが泳げるように、ピアノで弾けなかった曲が弾けるように、出なかった高い歌声が出せるように、難しいダンスの振り付けができるように、科学研究で新たなことが発見できるように、九九がスラスラ言えるように、たし算やひき算の答えがすぐ出てくるように、歴史博士や昆虫博士になれるように、おいしい料理が作れるように、そうじや整理整頓ができるように、などなど、はじめはうまくいかなくても、あきらめずに挑戦していると、そこには、できるようになった新たな自分が待っています。


2学期には、なりたい自分に向けて、たくさんチャレンジしたみなさんに会えるのを楽しみにしています。楽しく充実した夏休みになるようにしましょう。

5・6年生は、明日、地区水泳大会がありますね。頑張ってください。応援しています。

以上で、お話を終わります。


皆様からは、4月より砂山小学校に対し多くのご支援をいただき、誠にありがとうございました。
夏休み、2学期以降も、変わらぬご協力ご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。

なりたい自分になる その4(体と心を一致させる)

7月3日の全校朝会で、おおむね次のような話をしました。

7月に入り、夏休みが近づいてきました。1学期には、いろいろなことがありましたが、みなさんは、なりたい自分になれましたか。みなさんには、これからも、なりたい自分になってほしいので、今月の全校朝会でも、なりたい自分になるお話をします。

ある病院でのお話です。その病院には、たくさんの看護師さんが働いていましたが、なかでも、患者さんから慕われて、とても人気がある看護師さんがいました。どうして、その看護師さんは、人気があったのでしょうか。親切だから、優しいから、笑顔だから、検査とかが上手だから、どれも当てはまるかもしれませんが、他の看護師さんと比べて、特別に親切とか優しいとか笑顔だからというわけではなく、やっていることは、普通の看護師さんとあまり変わらない様子です。お医者さんたちも、どうしてその看護師さんが患者さんから慕われ人気があるのかは、よく分かりませんでした。
そこで、あるお医者さんが、入院している患者さんに、どうして、その看護師さんが人気があるのか、聞いてみることにしました。そうしたら、その患者さんは、こう言いました。「他の看護師さんは、心がついてきてないけれど、あの看護師さんは、心が体と一緒にきている」と。
どの看護師さんも、患者さんのために、いろいろなお世話をしてくれます。どの看護師さんもきちんとお世話をしてくれるのですが、患者さんたちは、どうやら違いを感じるようです。その違いを、「心と体が一緒」というふうに言ったのですね。


みなさんは、勉強で黒板に書かれたことをノートに写しているとき、今日の給食は何だろうかなと考えていませんか。家に帰ったら何して遊ぼうかなと考えてはいませんか。体は勉強しているのに、心は別のことを考えていることがありますよね。体力測定のシャトルランをしているとき、もっと記録を伸ばしたいと心では思っているけれど、体が動かないというようなこともありますね。心ではやろうとしているのに、体が思うとおりに動かないということもあります。


今、みなさんは、私の話を聞いていますね。体の姿勢はいいですか。心の姿勢はどうですか。心の姿勢は外からは見えにくいですが、その人のことをよく見ていると、心の姿勢を感じることができます。先ほど、話をした人気のある看護師さんは、患者さんのお世話を体でも心でも、一生懸命していたから、患者さんがとてもいい気持ちになったのだと思います。


今朝のことですが、ワールドカップで、日本はベルギーに負けましたが、心と体が一致したプレーは、見ている私たちに感動をプレゼントしてくれました。なりたい自分になれなかったかもしれませんが、全力でやり切った姿がそこにありました。


心と体が一致していると、まわりから見ても素敵に見えるし、自分でも頑張っているな、一生懸命やっているなと思うことができます。心と体が一致していると、まわりからも認められるし、自分を自分で褒めることもできます。なりたい自分に確実に近づいていますね。


今週の金曜日には、児童会情報委員会が計画した「お笑い&ミュージック祭り」があります。心と体を合わせて、発表したり、見たり聞いたりできるといいと思います。出演する人も、観客となる人も、みんなで盛り上げて楽しい時間にしていきましょう。楽しみにしています。


体と心を一致させると、勉強でも運動でもいい姿勢になり、よく分かるようにできるようになるようです。みなさんの勉強や運動の様子を見ていると、ああ心と体が一致しているんだなと感じることがよくあります。そんなときのみなさんはとても素敵に見えます。1学期のまとめの時期です。これからも頑張っていきましょう。


以上で、お話を終わります。